腱鞘断裂
腱鞘断裂とは?

屈筋腱の浮き上がりを抑えている腱鞘が断裂すると、腱が弓の弦のように浮き上がります(bowstringing)。
すると、指先に力が効果的に伝わらなくなり、十分に握れなくなります。
腱鞘断裂の模式図

腱鞘が断裂すると、屈筋腱が骨から離れてしまい、指先に力が伝わらなくなります。
中指の腱鞘断裂例

- (左)腱が弓の弦のように浮き上がってしまう。
- (右)指を十分に曲げることができません。
腱鞘断裂の原因は?
指先に大きな負荷がかかると、腱鞘が耐えきれずに断裂します。
典型的にはロッククライミングで、いわゆる「パキる」の一つです。
別名、クライマーフィンガーと言います。
ほとんどは中指または薬指です。
最近は、ボルダリング人口の増加に伴い腱鞘断裂も増えています。
他に、腱鞘炎(ばね指)に対する頻回のステロイド注射、ばね指手術での過剰切開も原因となります。
腱鞘断裂の治療は?
軽症であれば、伸展位での固定やテーピング固定による保存治療を行います。
保存治療でよくならない場合や、重症例では手術を考慮します。
腱鞘再建手術

長掌筋腱という腱を採取し、腱が骨から浮き上がらないように腱鞘を再建します。
右図は、腱鞘再建手術の模式図です。
- 麻酔:局所麻酔を行います。
- 手術時間:40~60分程度です。
- 手術後の経過:手術後より、テーピングなどで再建した腱鞘が弛まないように保護しながら指を動かす練習をします。徐々に力を入れるようにし、3ヶ月ほどで制限なく力を入れるようになります。
腱鞘再建手術例

- (左)術前。
- (右)術後。術後には十分握れるようになっています。