ドケルバン腱鞘炎
ドケルバン腱鞘炎の症状は?
手首(手関節)の親指側の痛みです。特に、親指または手関節を動かした時に痛みがでます。
手首の親指側の痛み
原因・診断は?
ばね指と同様、腱鞘(腱が通るトンネル)内での炎症です。比較的若い女性にも多く発症します。
原因は、親指の使いすぎやホルモンバランスなどの他、生まれつきの腱鞘の構造が原因となっていることもあります。
日本手外科学会 手外科シリーズ 2. ドケルバン病 から引用
触診およびアイヒホッフテスト(下記)によりほぼ診断が確定します。エコー所見も参考になります。
<アイヒホッフテスト>
親指を入れて握り、手首を曲げると痛みが誘発されるかどうかをみるテスト。
日本手外科学会 手外科シリーズ 2. ドケルバン病 から引用
治療は?
保存治療(ステロイド注射、スプリント固定)を行い、改善がみられない場合には手術を考慮します。
ドケルバン病に対するステロイド注射
ほとんどの患者さんはステロイド注射で改善しますが、50%ほどの患者さんで数ヶ月後に再発してしまいます(腱鞘炎の程度がひどいほど再発します)。
だからといって、頻回のステロイド注射は注意が必要です。この部位は皮膚が薄いため、ステロイド注射の副作用で皮膚の変色 (白くなる)や萎縮 (皮膚が薄くなり、さらにひどいと皮膚に穴があいてしまう)が生じることがあります。そのため、注射は1~2回までとしたほうがよいでしょう。
ドケルバン腱鞘炎の手術
腱鞘切開手術
狭くなっている腱鞘を切開することで、腱が通過できるようにします。
日本手外科学会 手外科シリーズ 2. ドケルバン病 から引用
- 麻酔:局所麻酔
- 手術時間:15分程度
- 手術後の経過:手術翌日から日常生活での使用、デスクワーク、軽作業は可能ですが、1~2週間程度の手首のスプリント固定をすることがあります。
痛みは、手術後比較的すぐによくなりますが、炎症が強い場合には1~2ヶ月ほどかかる場合もあります。