マレット指(骨性)
マレット指(骨性)の症状は?
つき指などにより、指の第1関節(DIP関節)が腫れ、指を伸ばしづらくなります。
ただし、腱性マレットと違い、ある程度は伸ばすことができるため、変形は軽度となります。
原因・診断は?
つき指(ボールが指先にぶつかるなど)により、伸筋腱が骨に付着している部位(末節骨)での骨折が生じます。
腱性マレットと違い、伸筋腱は断裂していないため、ある程度は指を伸ばすことができます。
こちらの写真のようにマレット(指)では、腱はつながっています。
治療は?
骨性マレットは、骨片の転位(ズレ)が大きくても保存治療により骨癒合します。
亜脱臼(関節のズレ)があるかどうかで治療方法が変わってきます。
右の写真は、亜脱臼により関節の不適合(ズレ)が生じています。
亜脱臼がない場合
保存治療(3〜4週程度のスプリント固定)を行います。
ただし、経過中に亜脱臼が生じてしまう場合もあるため、週に1度レントゲンでの確認が必要です。
上の保存治療例では、受傷時には骨片の転位が多くても、骨癒合が得られています。
亜脱臼がある場合
保存治療でも骨癒合しますが、変形による痛みが残る可能性があります。
そのため、希望に応じて手術が考慮されます。
手術は、鋼線(ピン)による固定法 と スクリューによる固定法があります。
鋼線では、抜去するまでの間(手術後5〜6週)、水に濡らすことができません。
スクリュー固定の方が早期に復帰可能となります。
受傷後3〜4週経過してしまうと(陳旧性といいます)、上の手術(鋼線またはスクリュー)が難しくなり、若干複雑な手術が必要となります。
マレット指(骨性)に対する手術
スクリュー固定法
3~4mmの創よりスクリューで固定します。
- 麻酔:局所麻酔。
- 手術時間: 15分程度。
- 手術後の経過:1〜3週間のスプリント固定をし、その後より使用可能です。
陳旧性マレット指(骨性)に対する手術
プルアウト法
骨癒合していない部分をそうじ(掻爬:そうは)して、ワイヤーで固定します。
- 麻酔:局所麻酔または伝達(片腕)麻酔。
- 手術時間:30〜60分程度。
- 手術後の経過:5〜6週間のスプリント固定が必要となり、その後から少しずつ使用可能となります。
右の写真では骨癒合が得られています。